天疱瘡・類天疱瘡(てんぽうそう・るいてんぽうそう)は、皮膚や粘膜に生じる稀な水疱性の自己免疫疾患です。
通常、人の免疫システムは細菌やウイルスのタンパク質に対する「抗体」を作ります 。これらの抗体は、細菌やウイルスを認識して排除するのを助け、感染から人を守りますが、天疱瘡や類天疱瘡では、抗体が代わりに皮膚や粘膜の正常なタンパク質を攻撃します。
このような種類の抗体は「自己抗体」と呼ばれます。
自己抗体は、皮膚の完全性を保つ(バラバラにならないようにする)役割を担う重要な「細胞間接着装置」を標的にします。
これらの接着部が破壊されると、皮膚の層の間に液体が溜まり、炎症が起きることで、痛みやかゆみを伴う水疱(水ぶくれ)が生じます。
家族性良性慢性天疱瘡(ヘイリー・ヘイリー病)は、DNAの変異によって引き起こされる遺伝性疾患です。
この疾患は自己免疫疾患ではなく、自己抗体も存在しないため、自己免疫性水疱症とはみなされませんが、天疱瘡に似た症状を示します。
天疱瘡は、皮膚や粘膜の上層部にある細胞に影響を与える水疱性疾患です。
水疱は破れやすく(弛緩性水疱)、その結果、皮膚や粘膜が剥き出しになった状態(びらん)が多数、あるいは広範囲にわたって生じます。
類天疱瘡は、皮膚や粘膜に影響を及ぼす、自己免疫性の表皮下水疱性疾患です。
類天疱瘡では、自己抗体が表皮や粘膜をその下層の結合組織へと繋ぎ止めている細胞間接着装置を標的にします。その結果、液体で満たされたパンパンに張った水疱(緊満性水疱)が生じます。
病変が粘膜に及ぶと、瘢痕(傷あと)につながることがあります。
類天疱瘡は時に、水疱を伴わず蕁麻疹や湿疹のように見えることもあります。
※詳細については、下記のリンクをご参照ください。
● IPPF天疱瘡・類天疱瘡ガイド2023(病気・治療の説明を転載)
※現在、IPPF天疱瘡・類天疱瘡ガイド日本語版を鋭意作成中です。
● 難病情報センター
難病情報センターのホームページで、患者さん向けに指定難病に関する病気や治療の情報をわかりやすく公開しています。
難病情報センターのホームページにアクセスしていただき、「告示番号索引から探す」から、天疱瘡は35、類天疱瘡(後天性表皮水疱症を含む。)は162、家族良性慢性天疱瘡は161で検索してください。
● 日本血液製剤機構 天疱瘡・類天疱瘡 免疫グロブリン療法を受ける患者さんとご家族へ
免疫グロブリン療法を受ける患者さんとご家族に向けたパンフレットですが、病気やその他に関する情報がわかりやすく掲載されています。
厚生労働省の難治性疾患克服事業(難治性疾患政策研究事業)の皮膚の遺伝関連性希少難治疾患群の網羅的研究班のホームページです。
対象疾患や研究班の先生方の名簿、診断基準・診療ガイドラインなどが掲載されています。
天疱瘡・類天疱瘡の治療には、一般的に「治療導入期」と「治療維持期」の2つの段階(フェーズ)があります。
主な治療薬としては、副腎皮質ステロイド、リツキシマブ、静脈内免疫グロブリン(IVIG)、抗炎症薬、経口免疫抑制薬、ステロイド外用薬などがあります。多くの場合、2種類以上の薬を組み合わせた「併用療法」を行うことが多いです。血漿交換療法が行われる場合もあります。
家族性良性慢性天疱瘡(ヘイリー・ヘイリー病)の治療は、現在は対症療法が中心となりますが、新しい治療法も開発中です。
それぞれの患者さんによって適応が異なりますので、治療の詳細については主治医に相談するようにしてください。
新しい治療情報があれば、随時お知らせしていきます。
天疱瘡の患者さんを対象とした治験のお知らせがきています。
詳細は、下記のリンクをご参照ください。
【注意】
天疱瘡・類天疱瘡友の会は、ホームページにリンクのみ掲載しています。
治験には関与しておらず、安全性、 信頼性については把握しておりませんので、ご関心のある方はリンク先に直接お問い合わせください。